300年の歴史が証明!アオリイカを釣るエギの最も有効的な使い方

エギの歴史と特徴

エギングを始めたけどアオリイカが釣れたことがない・・・

そもそもエギをどう動かしたらアオリイカが釣れるのか分からない・・・

今回はそんな悩みをスッキリ解決します。

この記事で紹介する内容
  • アオリイカの特性に合わせたエギの最大の特徴
  • 歴史から考える最も有効なエギの使い方

元釣具屋の店員、エギング歴20年の私が、エギの歴史を調べまくってたどり着いたエギの秘密についてお伝えします。

最後まで読んでいただければどんなふうにエギを動かしたらアオリイカが釣れるのか、その効果的な使い方がわかります!

釣果UPの秘訣!アオリイカの特性に合わせたエギの最大の特徴

他のほとんどのルアーが水平、もしくは尻下がりの姿勢で設計されているのに対し、エギは前のめりの姿勢』になるように設計されています。

これこそがアオリイカの特性に合わせたエギの最大の特徴です。

その理由は、ターゲットが魚ではなくイカであるという点に集約されます。

「イカ先生」こと富所潤さんの著書『イカ先生のアオリイカ学  これで釣りが100倍楽しくなる!』に、こんな記事があります。

イカの視軸って何?

(前略)

つまり、レンズを通して物を見たときに、一番よく見えるラインのことと思ってもらえればOKです。この視軸が何を意味するかと言うと、実は人間もそうなのですが、どんな生き物もこの視軸上にあるものが一番見やすいという特徴があります。

(中略)

で、この視軸ですが、アオリイカの視軸はどちらを向いているかというと、足側のやや下方になります。

『イカ先生のアオリイカ学  これで釣りが100倍楽しくなる!』富所潤さん著より
アオリイカの視軸

視軸とは、ターゲットに照準を合わせる、つまりロックオンするラインのことです。

アオリイカがエギを抱くとき、一瞬にしてエギの後ろ上方に回り込み、エギの腰からやや後方をめがけて突進してくることがよくあります。

これは、最もターゲットを捉えやすい視軸上にエギをロックオンしたときの動きです。

このとき、アオリイカからエギがどう見えているか。

やはり水平姿勢や尻下がりの姿勢よりも、前のめり姿勢が襲いかかりやすいのではないかと思われます。

視軸上から外れることなく、スーッと逃げていくような安定したフォール姿勢。

この姿勢を演出してあげることが、アオリイカを釣るためのエギの最も有効的な動かし方になります。

アオリイカの生態については、こちらの記事で紹介しています。

アオリイカ釣りの歴史が証明する最も効果的なエギの使い方

エギの使い方

ご存知の方の多いと思いますが、アオリイカのエギングの発祥の地は、現在の鹿児島県という説が最も有力です。

江戸時代発祥 エギの歴史

今から約300年前。鹿児島県の南西諸島(奄美大島周辺)の漁師が、夜、タイマツのかけらを海に落としてしまったときに、その黒焦げのかけらをアオリイカが抱きに来たのがエギの原点だと言われています。

この話は有名ですので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

エギのルーツ

他の釣りで使うルアーがアメリカ発祥のものが多いのに対し、エギ(餌木)は純日本製、正真正銘のメイド・イン・ジャパンというわけです。

アオリイカ釣りの歴史はエギの歴史そのものと言えそうです。

奄美大島から鹿児島本土へと広まったアオリイカ漁は、その手法の面白さとイカそのものの美味しさから、またたく間に薩摩藩の上級武士の間に広まったそうです。

粋なたしなみ、現代で言うところのレジャーというところですね。

つりくら
つりくら

文献によると、上流階級である武士の間で大会が行われるくらい、鹿児島県では人気のレジャーだったようです。

奄美大島で生まれた頃はまだ大型だったエギが、鹿児島本土に広まると、現代のエギの原型に近い形に改良されたと言われています。

現代においてもその姿をほとんど変えていないということは、300年前のエギの形状を超える新しいエギが今だ作られいないということになります。

この事実こそが、アオリイカをエギで釣るうえで「前のめりの姿勢」の威力を証明しているのではないでしょうか。

つりくら
つりくら

現在は、工芸品としての美しさから、鹿児島県枕崎市のふるさと納税返礼品にもなっています。

興味のある方は、ホームページなどから確認してみてください。

歴史が証明!最も効果的なエギの使い方

エギには何種類かの形状がありますが、現在エギの多くには、大分型が採用されているようです。

エギの型姿勢アクションフォールの安定性ただ巻き時の安定性
大分型前のめり○オールマイティ◎安定している○比較的安定させられる
山川型前のめり◎上への動きに特化◎安定している△安定させにくい
曳き型やや前のめり✕向かない△不安定になる◎安定している

その理由は、他のエギの形状に比べて、シャクリ・フォール・巻きといった、現代のエギングに欠かせないさまざまなアクションに柔軟に対応できるから。

つりくら
つりくら

大分型がなめらかな流線型をしているのに対して、山川型は腰の部分がグイっとせり上がった形状をしています。

個人的な見解になりますが、決して山川型が釣れないわけではなく、大分型のほうが意図した動きを演出しやすいという点で採用しているメーカーが多いのだと思います。

一方で、これらのエギすべてに共通する特徴もあります。

『前のめりの姿勢』

この姿勢こそが、300年ものアオリイカ釣りの歴史の中で、その姿をほどんど変えることのなかったエギの最大の特徴なのです。

エギの姿勢

そして、この姿勢を生かした動かし方を意識することがアオリイカの釣果UPの秘訣になります。

エギングのアクションについては、こちらの記事で詳しく説明しています。

エギは、いわゆるアウトシンカー、重りがボディからはみ出た形状をしており、どのタイプのエギもすべてボディの半分より前にシンカーがセッティングされています。

曳き型のエギは、他のエギに比べるとやや中央よりです。これは船で曵くことに特化し、安定した姿勢をバランスよく保つためだと考えられます。

姿勢だけじゃない!アオリイカを釣るためのエギの特徴

エギには、その前のめりの姿勢以外にも、いくつかアオリイカを釣るための特徴があります。

それらはすべて、ただアオリイカを釣りやすくするためであり、実践重視の設計

エギのパーツ

羽根の役割

エギの羽根は何のためについているのか?

これについては、さまざまな意見が飛び交っています。

  • フォールの姿勢を安定させるため
  • ダート(横飛び)の幅を抑えるため
  • エビに見せるため

あくまで個人的な意見にはなりますが、やはり「フォールの姿勢を安定させるため」というのが有力。

視軸上のラインにターゲットをロックオンし、後方斜め上から襲いかかる。

そのときに、ターゲットはふらつかず安定してくれていたほうが襲いかかりやすいですからね。

すぎぴん
すぎぴん

エギはよく片羽根が取れたりすることがあるのですが、そういう場合はフォール時に左右どちらかに曲がって行くこともあり、そうなるとアタリが減るような気がします。

布巻きの意味

エギ布巻き

現在のほとんどのエギはテープと呼ばれる下地の上に布を巻いています。

よく釣れるエギは、アオリイカに噛まれて布がボロボロになったりするのですが、他のルアーにないこの布にはどのような意味があるのでしょうか。

アオリイカの吸盤との相性や、発色など、これにもさまざま意見がありますが、決定打になりそうな記述は見つかりません。

ただ実際に布巻きエギとプラスチックむき出しのエギを使って見ると、肌感覚レベルですが、布巻きに軍配が上がる気がします。

その理由はともかく、下地と布の組み合わせ方でさまざまな発色を演出できるのは、見て楽しいエギの魅力の一つであることには間違いありません。

つりくら
つりくら

カラーについてはさまざまな意見がありますが、信頼できるカラーであれば、それほど釣果に影響することはなさそうです。

エギのカラーの考え方については、こちらの記事で詳しく説明しています。

カンナの位置

通常、ルアーの一種であるプラグは、フロントフックがボディ中腹に、リアフックがボディのお尻部分についていますが、エギの場合は、お尻部分にカンナが固定されている設計となっています。

これについては、やはりアオリイカがエギを襲うときの姿勢に関係すると考えられます。

斜め上後方からエギを抱きに来たときに、このお尻にあるカンナがしっかりとアオリイカを捉えてくれるような設計になっています。

すぎぴん
すぎぴん

逆にそれだけ抱かせるポイントを絞っているって、すごいです。

固定されているので、釣った後も外しやすいというのも特徴の一つになります。

エギの特徴を生かすとエギングがもっと楽しくなる!

今回の記事では、エギングでアオリイカの釣果をUPさせるために、エギの歴史をもとにその特徴についてお伝えしました。

アオリイカの釣果をUPさせるエギの特徴
  • 前のめりの姿勢こそがエギの最大の特徴
  • エギの姿勢はアオリイカの特性を生かしてある
  • 300年の歴史がエギの最も効果的な使い方を証明している

エギの特徴を知って、その特徴を生かすことでアオリイカの釣果がUPします!

また、エギの特徴を生かすように意識することでエギングがもっと楽しくなること間違いなしです。

エギング初心者の方に向けた内容をまとめた記事はこちらになります。よかったらこちらもチェックしてみてください。

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