このポイントに本当にアオリイカがいるのか不安になる・・・
エギングでアオリイカを釣れた実績がなくて自信がない・・・
今回は、そんな不安を解消し、自信をもってエギングができるように、アオリイカの生態をもとにした作戦についてお伝えします!
元釣具屋の店員である私が、エギング歴20年の経歴とアオリイカの生態に関する書籍を読み込み、まとめてみました。
最後まで読んでいただければ「エギングをやってて本当に釣れるか不安になる・・・」そんな気持ちがなくなります!
季節によって違うアオリイカの行動パターン
アオリイカの寿命は1年
多くの文献で書かれていことからも、おそらくこれは間違いないと思われます。
産卵前後のアオリイカの平衡石を調べると、ほぼ300日程度になったといいます。長いもので400日を超えるものはありませんでした。
『イカ先生のアオリイカ学 これで釣りが100倍楽しくなる!』富所潤さん著より
平衡石とは、魚でいう耳石のようなもので、1日ごとに日輪が刻み込まれていきます。
この日輪が300あれば300日生きたということになります。
春から夏の間に孵化し、秋は成長するためだけに貪欲にエサを追いかけます。
この頃はまだ沿岸近くで生活していますが、水温低下とともに深場へ移動。
そしてまた春になると、沿岸近くに戻ってきて産卵し、へい死してしまいます。
これがアオリイカの基本的な1年の行動パターンです。
一般的には沿岸近くで生活する『秋の成長期』と『春の産卵期』がショアからアオリイカを釣る2大シーズンと言われています。
しまなみエリアに限って言うと、春の大型捕獲情報もありますが、水温の関係もあって、おすすめできるのは秋シーズン一択です!
初心者におすすめしたい秋シーズン。狙い目のポイントや時間帯は?
初心者の方におすすめしたいのは、9月〜11月の秋シーズンです。
その理由は、春シーズンに比べて個体数が圧倒的に多いからです。
釣れるサイズは春シーズンに劣るものの、釣りやすさという点では、秋シーズン一択です。
春シーズン | 産卵を意識した個体が水温の上昇とともに接岸してくるタイミング。大型が出やすい。 |
秋シーズン | 夏に孵化した個体が成長のために捕食をするタイミング。数が出やすく釣りやすい。 |
時期によって狙い目のポイントは変わる
秋シーズンでも特に9月下旬までのシーズン初期は、アオリイカ自体もまだまだ小さく、外敵から身を守るために比較的浅いエリア(シャローエリア)での実績が高くなります。
漁港でエギングをするときは、思わず先端付近を目指したくなりますよね!
でも、堤防の先端は水深があり潮通しもいいため、まだまだ小型のアオリイカにとっては生活しにくいポイントになります。
秋シーズン初期の狙い目はズバリ、堤防中腹〜根本付近の底の状態が見えるくらい浅いポイントで、藻や障害物の周辺です。
10月中旬になると、これまで釣れていたシャローエリアのポイントでぱったり釣れなくなるタイミングが来ます。
そうなると、比較的水深があり、潮通しも良いポイントに狙い目を移動させていきます。
水温が下がる晩秋になると、さすがにシャローは厳しくなりますが、マヅメのタイミングでは捕食のために浅場に回遊する個体がいます。
アオリイカを釣りやすい時間帯
アオリイカに限らず、魚もなんですが、釣りやすい時間帯の考え方には大きく2つの要素が絡みます。
マズメ | 光量変化のある時間帯。朝マヅメは日が出る前、夕マヅメは日が落ちた後が期待できる。 |
潮の変化 | 干潮、満潮のそれぞれ前後の時間帯が期待大。ポイントのクセが出やすい。 |
光量の変化と潮の変化という2つの要素を絡めて釣行するのが、アオリイカを釣るコツのひとつになります。
朝マズメ、夕マヅメの時間帯は、光量が大きく変化する時間帯で、アオリイカもそわそわするのか、活性が上がりやすい時間帯です。
ただし、秋シーズン初期のまだアオリイカが小さいタイミングでは、日中のほうが反応がよかったりすることもあります。
特に、干潮・満潮の前後の時間帯は、潮の変化のある時間帯になるため、活性が上がりやすい時間帯です。
日中でもそのようなタイミングに合わせて釣行すると、いい結果にめぐまれやすくなります。
日中、シャローエリアでアオリイカが釣りにくくなると、マヅメや夜に狙いの時間帯を変更してみてください。
水温から考えるしまなみエリアのエギングシーズン
しまなみエリアのエギングシーズンも他の多くの地域と同じように、例年9月2週目あたりからスタートし、12月2週目あたりまでは狙って釣ることが可能です。
しかしながら、しまなみエリアの春シーズンはなかなか苦戦させられます。
それはアオリイカの適水温と瀬戸内海の水温変動に原因があるようです。
アオリイカの生息(摂餌)可能な水温は、15℃以上という研究結果を目にします。もともと南方系のイカということで、水温の上限はあまり気にしなくてもよさそうです。
釣りの適水温となると、18℃〜23℃くらいを指定している記述が多いです。
一方でしまなみエリアでは、水温が最も低い時期で10℃を下回る年もあります。そうなると、このエリアでは、アオリイカ自体の生息は難しいと思われます。
実際、しまなみエリアにおける春シーズンはかなり厳しく、全く釣れないということはありませんが、手にするのはごく限られた凄腕アングラーさんのみのような印象を受けます。
そういった意味でも狙い目は9月〜11月下旬までの秋シーズン一択ということになります。
しまなみエリアでも2キロUPのアオリイカの釣果は望めます。
確率がゼロではありませんが、このエリアで春シーズンに狙って釣るのは、実感として難しいですね・・・。
アオリイカの捕食行動
アオリイカはふだん主に何を食べているのでしょうか。
エギの形状や、ウキを使った泳がせ釣りやヤエン釣りでアジをエサに使うことから、エビや魚だということは簡単に想像できそうです。
実はエビやカニより魚が好き
実際のところ、アオリイカは何を好んで食べるのか。こちらもイカ先生の著書に記載があります。
若狭湾において、定置網に入ったアオリイカのお腹を開いて胃の内容物を調べたところ……なんと、魚類がだんぜん多かったのです。
内訳は、85%が何らかの魚で、13%がイカ(共食いですね)、エビはなんと2%しか入っていませんでした。
『イカ先生のアオリイカ学 これで釣りが100倍楽しくなる!』富所潤さん著より
この事実からすると、エギングにおいて最も意識しなければならないのは、魚をイメージすることであることは間違いありません。
エギの歴史に関しては、こちらの記事で詳しく紹介しています。
食性から考えるしまなみエリアエギング戦略
しかしながら、海底付近でエビのような動きを繰り返したり、放置したり、ズル引いたりしていると釣れた経験がある方も多いのはないでしょうか。
これはあくまで個人的な見解ですが、しまなみエリアの場合、アオリイカのエサになるような魚が、水温の低下とともに浅場からほとんど姿を消してしまうからなのではないかと考えます。
そうなると、海底付近のエビを捕食するようになります。
つまり、魚がいないからエビを食べるという「じゃなほう」的な選択をアオリイカがしているのではないでしょうか。
そう考えると、しまなみエリアに限らず水温が低下する時期の戦略は、海底付近がひとつの鍵になるかもしれません。
たしかにシーズン終わりは底付近でのヒットが多い気もしますが、その日の状況でベイトになる魚が入っていたら、表層から中層でヒットしたりします。
サイズは大きくなっても、あくまで成長が止まる前段階の個体であると考えると、エギを動かしても十分追ってくる感覚はありますね。
アオリイカを食べる魚にも注目
ここまで、アオリイカのエサについて書きましたが、一方でアオリイカを捕食対象にしている魚も多く存在します。
しまなみエリアの場合、ヤズ(ブリの若魚)、マダイ、チヌ(クロダイ)、スズキ、アコウ、この辺のフィッシュイーターが筆頭株です。
実際、目の前の水面近くでクロダイにアオリイカが捕食され、水面に一瞬でドバッと墨が広まったのを見たことがあります。
成長期にあっても個体が小さい9月〜10月は、そういう意味でもアオリイカにとって安全な浅場でのデイゲームが効率的です。
年回りによってはヤズなどの青物が多い年があります。
そのような年回りでは、ある程度個体が成長していても、青物の釣果情報が少ないエリアを選択することが釣果の鍵となりそうです。
アオリイカの生態を知ると釣果UP間違いなし!
今回の記事では、エギングでアオリイカが釣るために知っておきたい3つの生態をもとにした作戦についてお伝えしました。
アオリイカの生態を知ると、その生態に合わせて釣行の作戦が立てられます。
これで釣果UP間違いなしです。
エギング初心者の方に向けた内容をまとめた記事はこちらになります。よかったらこちらもチェックしてみてください。